家計簿の診断
あなたの家計簿の成績表を付けてみましょう
企業の安全性を示す格付け。これを家計簿に応用して、家計簿の診断をします。あなたの家計は将来も安泰ですか?先行き不透明な時代の確かな一歩がここから始まります。
記入にあたって。同じ生計を営む家族(世帯の収支)の合計値を記入します。資産の時価がわからない場合は、ご自身で想定する金額で結構です。特定の時期を決めて算出します。
以下、さにおの実例で紹介します。2003年4月1日時点での家計格付けです。
損益計算書 2002年4月1日〜2003年3月31日 |
総収入 |
(i)6,623,769 |
給料 |
5,783,886 |
投資収入 |
325,130 |
雑収入 |
514,753 |
|
|
支出 |
3,098,212 |
税・保険 |
1,062,252 |
総支出 |
4,160,464 |
|
|
収入-支出 |
2,463,305 |
|
貸借対照表 2002年4月1日 |
資産 |
負債 |
流動資産 |
4,557,325 |
奨学金 |
(f)2,517,625 |
国内株式 |
3,482,525 |
クレジットカード |
(f)12,059 |
株式投信 |
160,000 |
借入金 |
0 |
貴金属 |
212,250 |
|
|
不動産 |
0 |
|
|
合計 |
(e)8,412,100 |
純資産 |
5,882,416 |
|
貸借対照表 2003年4月1日 |
資産 |
負債 |
流動資産 |
5,450,554 |
奨学金 |
(d)(f)420,000 |
国内株式 |
2,849,582 |
クレジットカード |
(d)(f)44,627 |
株式投信 |
280,000 |
借入金 |
(c)0 |
貴金属 |
285,050 |
|
|
不動産 |
0 |
|
|
合計 |
(a)(e)8,865,186 |
純資産 |
8,489,813 |
1.純資産(自己資本)
企業の場合と同様に、家計の健全度を測るには、まず貸借対照表を見ます。企業のように資本金がないので、保有資産の合計額から借入金など負債の合計額を引いて純資産(自己資本)を求めます。純資産はいざという時、すべての資産を売り払って借金を返済した後に残るあなたの正味財産です。 |
a |
金融資産。現金、預貯金、株式、債券、投資信託などの合計額(時価)。 |
887万円 |
b |
固定資産。自宅、投資用不動産、自家用車、ゴルフ会員権、生命保険の解約返還金、退職した場合に受取れる退職金などの合計額(時価)。 |
79万円 |
c |
借入金。住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなど借入残金高の合計額。 |
0万円 |
d |
その他の負債。クレジットカードの未払金、割賦未払金、返済中の奨学金などの合計額。 |
46万円 |
1 |
あなたの純資産。(a+b)-(c+d)=(887+79)-(0+46)=920 |
920万円 |
2.純資産比率
資産合計に占める純資産の割合です。国内上場企業の自己資本比率の平均は30%弱です。企業と同じく家計も純資産比率は高いほど健全です。 |
2 |
純資産比率。1/(a+b)x100=920/(887+79)x100=95.2% |
95.2% |
3.債務償還可能年数
社債の格付けで最も重視されるのは、企業が稼ぎ出す現金と負債のバランスです。家計も、売上高に相当する税込み年収ではなく、いろいろと消費した最後に手元に残る現金に注目しました。企業会計でいう営業キャッシュフローの何年分で借入金を完済できるかを求めます。
ここでは簡単に、過去1年間に貯金するなどして増やしたお金と、返済したローンのうちの元金部分の合計を営業キャッシュフローとします。30万円以上の資産(不動産や車など)を購入した場合は投資とみなしますので、その額も加えてください。 |
e |
aで記入した金融資産の過去1年間の増減額。過去1年間に増やした預貯金、買い増した株式などの金額。預貯金の取り崩し、株式などの売却はマイナスで。e=886-841=45 |
45万円 |
f |
cで記入した借入残高の過去1年間の増減額。繰り上げ返済を含めて元金が減っていればマイナスで、逆に新たに借入をした場合は現金の増加分をプラスで。f=(42+4)-(252+1)=-207 |
-207万円 |
g |
bで記入した資産のうち、過去1年間に購入した金額の合計。自動車などの下取り額は購入額から差し引く。 |
0万円 |
h |
あなたの営業キャッシュフロー。e-f+g=45-(-207)+0=253 |
253万円 |
3 |
債務償還可能年数。c/h=0/253=0 |
0万円 |
4.生活耐久度
年収(企業でいう売上高)に占める営業キャッシュフローの比率より、年収がどのくらい減っても、それまでの生活を維持できるか見ます。数字が高いほど強い家計で、出費を切り詰めれば向上します。 |
i |
税込み年収。副業や投資収入があればそれも加えます。 |
662万円 |
4 |
生活耐久度。(h/i)x100=253/662x100=38.2% |
38.2% |
5.有事対応度
大病や事故などによる突然の出費に家計がどの程度柔軟に対応できるかを測る指標です。この金額が多いほど、万一の事態が起きても預貯金など資産を取り崩さなくても済みます。
企業会計にはない実質フリーキャッシュフロー(企業会計のフリーキャッシュフローから、あらかじめ決まっているローンの現金編詩文を除いたもの)により、家計が1年間に自由に処分できる金額を算出します。それを家族数で割ります。 |
j |
過去1年間に繰り上げ返済した借入金。通常のローン返済とは別に返済した金額。必ずマイナスで。 |
-207万円 |
k |
cで記入した借入金のうち、過去1年間に新たに借りた額の合計。 |
0万円 |
l |
実質キャッシュフロー。e+g-j-k=45+207-0=253 |
253万円 |
m |
家族の人数。生計を一にすることかつ、家計を担っている人数です。
専業主婦は家事という収入の発生しない仕事をしていることから、家計を担っていると考えます。社会人になっていない子供は家計を担っていないため、人数から外して考えます。 |
2人 |
5 |
有事対応度。l/m=253/2=127 |
127万円 |
上記1〜5の得点を集計
|
5点 |
4点 |
3点 |
2点 |
1点 |
0点 |
あなた
の得点 |
1 |
1億円
以上 |
5000万円〜
1億円 |
2000万円〜
5000万円 |
500万円〜
2000万円 |
0〜
500万円 |
0円未満 |
2点 |
2 |
90%
以上 |
60〜90% |
40〜60% |
20〜40% |
0〜20% |
0%未満 |
5点 |
3 |
1年未満 |
1〜3年 |
3〜7年 |
7〜12年 |
12〜20年 |
20年以上
かマイナス |
5点 |
4 |
50%以上 |
30〜50% |
10〜30% |
5〜10% |
0〜5% |
0%未満 |
4点 |
5 |
200万円
以上 |
100万円〜
200万円 |
50万円〜
100万円 |
10万〜
50万円 |
0〜
10万円 |
0円未満 |
4点 |
|
|
|
|
|
|
合計 |
20点 |
さにおの家計簿診断は、ギリギリ A でした。 |
参照)日経ビジネス 2003.9.1 |
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